Electricity

 

 

私には中学3年生の推しが2人いる。
ジャニーズJr.の安嶋秀生くん と
ビリーエリオットの未来和樹くん。

 

私が、安嶋くんに出会ったのは2016年4月のザ少年倶楽部だった。今まで皇輝ヴァサ陸人(拓真)くらいしか、ちび(ぷち)と呼ばれるJr.は出ていなかったのに、年明けくらいからちびっ子がわっと出されるようになった。スノプリからJr.に入ったぐらいの人間だから、もちろんちびっ子は大好きで、だからこそわらわら後ろで踊るだけで大きく写りもせず、名前も知れないことをもどかしく思ってた数ヶ月だった。4月の少クラのED、ずらっとVの字に並んだ黄色い衣装のちびの中に安嶋くんはいた。ちびジュの2TOP皇輝ヴァサの隣(シンメは空輝ちぁ)でめちゃくちゃいい位置もらってる可愛い子。嶺亜くんにのたんが可愛いから安嶋くんの顔面が可愛くないわけなくて、一瞬で推しになった4月。だけど名前のテロップは出ずで、5月の放送にもいなかった安嶋くん。6月の放送第1週伝説のちびジュオリ曲「3秒笑って」で、やっと安嶋くんのお名前テロップが出た。前の月の放送で他の子の顔と名前は一致してたから、そうか安嶋くんか…!ってやっとお名前確認できて嬉しかった。

6月の半ば、ファミリーマートで予約してた「勇気100%/3秒笑って」がやっと発売になった。これ予約したのいつだっけ?当時は全然知らないちびっ子達だったのに、恥かきながら予約した私偉かった。メイキングで大人に「お願いします・ありがとうございました・お疲れ様です」とちゃんと言える安嶋くん、メイクされながら'じゃんけんで負けて体育委員になっちゃったエピ'を話す安嶋くん、体操やってて知念ちゃんに憧れてジャニーズJr.になったこと話す安嶋くん。その他の子も含めこれ1000円以下で良いんです?な内容すぎたし、安嶋くんのこと色々知れてめちゃくちゃ面白かった。

少年収・サマパラには入らなかったから、戸塚田が出た1月のJAIがはじめての現場だった。ダンスはもちろんアクロもローラーも頑張ってて、いつもの少クラの切り取られた時間だけじゃ見えない、周りの子と絡んで楽しそうにしてる素の表情も見られて最高だった。Jr.祭りでは花道で大っきく大っきく踊る姿が可愛くて、スタンドのオタクの無理難題ファンサうちわにも丁寧に答えててニコニコだった。スノストがバスケした後、カラフルなベスト着たちびっ子がずらっと並んだところに「3秒笑って」のイントロが流れた時は、ほんとに嬉しくて崩れ落ちた。ちびメインの6人でやったって完成したパフォーマンスは出来るだろうに、研究生含め たくさんちびジュが出てる中であじそらうの3人を入れてやってくれてほんとに嬉しかった…。最後マイクの前で「あじまひできっ!」ってお名前言えて、偉いねぇって泣いた。祭の時は安嶋くんのこと等身大の男の子!って認識なかったけど、滝沢歌舞伎で口上言ってるの見てお…男の子…だ…!ってなった。あのひらがな表記で「あじまひできっ!」って言ってた安嶋くんと「ハッ!安寧の静寂!秀でて生まれ 安嶋秀生!」って口上言ってた安嶋くんが、同じ安嶋くんだなんて今でも驚きである…

お顔が可愛いな〜から安嶋くん好きになったけど、色々現場でパフォーマンス見て、4月くらいに'安嶋くんのダンスってアクロしてるからこそ体幹がしっかりしてて安定してるんだな〜〜'って気づいてからは、まるっと全部さらに好きになった。安嶋くんたちが滝沢歌舞伎に出てる中でJr.祭りさいたま・大運動会・クリエを通して金指くんが東京B少年に加入した。安嶋くんより年下・安嶋くんより後輩だけど安嶋くんより前列に立つ人。現実って厳しいな〜と感じさせられてる春からの半年、。

 

未来くんは数千の応募の中から舞台ビリーエリオットで、主役ビリーを掴み取った5人のうちの1人である。幼い頃から民謡に親しみ、熊本の地で伸び伸びと育った少年。そんな未来くんがビリーのオーディションのために上京する直前、熊本の地は震災に襲われた。被災した土地で生活する人々の中で1人、不謹慎かなという気持ちと熊本に必ず夢を届けるという気持ちを持って上京した未来くん。未来くんは無事、数千の応募からビリーエリオットを勝ち取り、熊本からシンデレラボーイになった。

ビリーの発表では1番最後に名前を呼ばれた、5人の中では最年長な未来くんだった。すでにバレエやダンスで数々の賞を取って来たビリーや伸び盛りの幼いビリーがいる中で、最年長和樹ビリーの良さは登場人物や物語の背景に関する理解を、ひと一倍しているところだった。私が5人の中でただただ顔が良い晴翔や、技術のある航世でなく未来くんに一目惚れしたのは、単純に'安嶋くんに似ていたから'である。だけどオーディションの映像や本人のTwitterから未来くん本人のことをよく知ったことで、幼くともこんなに素晴らしいエンターテイナーが居るのか!と更に更に更に惚れさせられることになった。

 

ジャニーズJr.の推しである安嶋くんは、ジャニーズJr.7年生にしてこの秋、ドル誌に'初'登場した。だから今まで、少クラや現場で安嶋くんのパフォーマンスを見る機会はあれど、安嶋くんのパフォーマンスに対する'想い'を知ることはできなかった。私が安嶋くんの影を写して一目惚れした未来くんは、Twitterを通して、自分がダンスにお芝居にビリーに向き合う気持ちを、1つ1つ丁寧に教えてくれた。アクロの申し子知念ちゃんに憧れてジャニーズJr.になった安嶋くんと、ビリーエリオットを夢見て1年半に及ぶオーディションを勝ち抜いた未来くん。2人の目指す道は違うし、パフォーマンスに向き合う気持ちも当然違うとは思う。だけど同じ中学3年生、舞台の上を跳ねて舞う2人を見ていたら未来くんの発言の根本は、安嶋くんにも重なるように見えた。

 

夏にTDCで大活躍した安嶋くんと、ACTシアターで大活躍した未来くん。そんな2人の気持ちを考えながら9月に観た、未来くんの晴れ舞台ビリーエリオット。最初は嫌々はじめたバレエを、物語が流れる中で自分のものにしていくビリー。自分が踊りたくて踊る、自分が立ちたくて舞台に立つ、当たり前だけど純粋なその気持ちに感情が揺さぶられた。

ビリーがオーディションを受けに行った劇場で、審査員との質疑応答の中で歌われる「Electricity」。

審査員:ねぇビリー、ダンスをしている時はどんな気持ちになるんですか?


ビリー:うまく言えません。言葉にできない。抑えきれない、気持ち。自分をなくすような、忘れるような、ほんとの僕になるような。

耳の奥で音楽が鳴り出して、追いかける追いかける自分が消える。

僕は変わる。何かが燃えて、僕を開く、もう逆らえない。僕は舞い上がる鳥のように、まるで電気…そう電気。胸でスパークして…僕はもう自由。

怒りに似てるよ、恐れにも少し。混乱、興奮、めちゃくちゃ。泣いた時みたいに、空っぽで満タン。わかんないうまく、言えない。

耳の奥で音楽が鳴り出して、でもそれは聞こえない、聞こえないけど。

僕を動かす、燃え盛る炎。僕を開く、もう逆らえない。僕は舞い上がる、鳥のように。まるで電気…そう電気。胸でスパークして、僕はもう自由!

泣きたくなった。この歌詞を与えたのも、脚本を与えたのもあくまでも大人だ。だけどパフォーマンスへの思いを見せてくれた未来くんが歌う「Electricity」。それは、未来くんの思いそのままのように見えたし、帝国劇場で踊る安嶋くんの思いのようにも見えた。

ジャニーズJr.である安嶋くんはもちろん、ファンである私たちはジャニーズ事務所に所属する先輩たちを見て、'この子たちもいつかはこうしてデビューして、大きな会場を揺らすんだろうな'と夢見る。今、ジャニーズJr.になる子のほとんどは"〜くんみたいになりたい!"という具体的な人物名を語るし、その先輩のようにきらきらのアイドルになることを目標とする。だけど、その過程としてこの「Electricity」のような、舞台に立つことへの'想い'が芽生えていてもおかしくないんだよな、と今回改めて思った。

 

安嶋くんは数日前の11月11日に15歳になった。前日の金曜日には先月収録されたザ少年倶楽部で、東京B少年の藤井くん金指くんと一緒にSMAPのSHAKEを披露する姿が放送された。藤井くん金指くん・ちびメイン6人のさらに後ろ、1年以内に入所した子もいるくらいのわらわらちびジュの1人だった。ファンである私から見る安嶋くんの立ち位置は、それがどんなに悪い位置でも、私の視界の中では最前列でありセンターになる。だけど実際にステージに立ってる安嶋くんにしてみたら、そこはリアルに最後列でありアクロするために用意された最上手(下手)位置であるのかもしれない。

曲ふりをするMr.KINGが"今一番フレッシュな"と言った。言ったけど、15歳の安嶋くんはその時ステージに居た誰よりJr歴が長い、お世辞にもフレッシュとは言い難いベテランJr.だった。自ユニのえびちゃんしかり、Jr歴が長いことは悪いことじゃない。多くの先輩のバックで踊ることはその子の経験に確実になるし、'自分もこういう大きなステージでメインを張りたい'という大きな志に繋がるかもしれない。だけど反面 自分より後に入所したJr.が、自分より年下のJr.が自分を追い越して活躍して行く、ということはその子の悟りに繋がりかねない。

今のJr.界隈は黄金期の頃と比べたら活動の形は多様化した。20代後半になってもデビューせずにそこにいるJr.は大勢いるし、生田斗真風間俊介、直近だとふぉ〜ゆ〜のようにCDデビューという形を取らずにジャニーズJr.の枠から離脱できる例もある。だけど依然として、グループに所属せずに先輩のバック仕事しかないJr.に対しては、風当たりが強いようにも感じる。多様化してきたと言っても白鳥になり得る金の卵を育てる事務所であって、自由に楽しく踊ることを望むアヒルを生かしてくれる事務所ではまだまだないのかもしれない。

 

私の推しの未来くんは、ビリーエリオットの大阪公演大千秋楽のビリー役に選ばれていた。どの公演だって大事で、ひとつひとつ魂を込めなければいけないのは変わらない。だけど千秋楽はどうしたっておめでたいし、記念の公演になる。そんな日本初ビリーエリオットの大千秋楽公演、他の4人だけじゃなく日本のカンパニー・世界の製作者・全国のファンの思いが集まる公演のビリーに、未来くんは選ばれていた。私たち和樹ビリーファン以上に、ビリーと向き合って常に対話していた未来くんは、どんなに嬉しかったかな。ちゃんとこの公演を、やり遂げたかっただろうなぁ。、

未来くんは大阪公演の公演中の10/23、ビリーエリオットの降板を発表した。理由は成長痛による全身の痛み、だった。残りの未来くんが出る予定だった公演は、各々のアンダースタディである他のビリーが埋めてくれた。いつも丁寧な言葉選びでツイートしてくれる未来くんが綴った、"ごめんなさい"で溢れたツイート。未来くんのパフォーマンスへの'想い'を知るだけに痛かった。5人のビリーで幕を開けた日本版ビリーエリオットは、4人のビリーで幕を閉じた。

 

中学3年生、被災地熊本に夢を届けるために上京した未来くんは、故郷熊本に帰って行った。「このまま東京に残ってくれると思ってたのに」ってファンの声を、未来くんのツイートに対するリプで見た。中学3年生。人生の分かれ道。、

中学3年生、高校3年生、大学卒業、契約満了。芸ごとの世界で私たちの目に見える世界に立ってくれる彼らのファンとして、節目の年は身構えるしかない。進学という新しい環境に入ることでより芸ごとに集中することができる例もあるし、自分の才能や想いを見限って私たちの目に見えない世界の人になってしまうこともある。

未来くんはビリーエリオットを終われずに熊本に帰ることになった。大阪公演でだってもっともっと踊りたかっただろうに、今後だってもっともっと大きなステージに立ちたいだろうに、中学3年生、義務教育課程の身ではひとまず故郷に帰るしかなかった。

東京のジャニーズJr.で居てくれる子の多くは関東在住で、未来くんのように物理的に活動を続けられなくなることは少ない。だけど皆んな、タイムリミットは刻一刻と迫っている。'契約満了'によってこの秋、推しの1人が私たちの目に見えない世界に行ってしまった(まだ認めてないけど)、今の私の持つ危機感は大きい。ジャニーズJr.が道を選ぶのは高校卒業のタイミングが多いから、中学3年生の安嶋くんを推しにする私が未来を心配するのは、まだまだ早いのかもしれない。だけどいかんせん安嶋くんはジャニーズJr.7年生、ちびジュにしてはベテランJr.なのだ。

 

推しが1人自分の視界から見えなくなったことで、"今"が当たり前じゃないことに改めて気がついた。だから、安嶋くんの誕生日には厚くて重いお手紙を認めた。安嶋くんの体幹をしっかりと使ったきれいで安定したダンスが好きです。どんな位置でも、どんな役でも、そこに立つ安嶋くんを観に現場に足を運んでいるファンが少なくとも1人は居ます。これからもそのグッと引き込まれる安嶋くんの、最高のパフォーマンスが観たいです。、ずっとずっと応援しているから、だから、安嶋くんは明日も明後日も、ずっとずっとステージの上に立ち続けて。なんだか切実な思いだった。

 舞台の上で跳ねて舞う彼らを愛する私たちには、「ただただその姿が好きです」と伝えることでしか、彼らをこちらの世界に繋ぎとめておかことは出来ない。だけど厳しい世界だから、彼らが踊りたいと思って、私たちがそれを観たいと思ってもそれ以上にそこに立つべき人材が居たら、なんの手出しも出来ない。

"輝くスター性"というより"努力と愛嬌"で魅せる子たちを好きになってしまった。ずっとずっと応援させて、と思える子たち。、今15歳の2人は数か月したら新しい制服を着て、新しい環境に入って行くんだな。進む先、新しい環境でも、「ステージに立ち続ける」って選択肢が組み込まれていることを祈るしかない。

 

1回下書きが吹き飛んでしまったせいで、もともとどんな結びを考えて居たか忘れてしまった、しんどい。

ひとまず、11月11日1並びの日に生まれた一等賞の安嶋秀生くん、お誕生日おめでとう。1か月後も2か月後も、来年も再来年もずっとずっとステージに立つ安嶋くんを応援したい。同い年未来くんとかけ持ってるからこそ、いつかは安嶋くんと未来くんの共演を、と夢見てしまう。

ステージに立つべき人だからこそ選ばれたんだから、諦めずそこで輝き続けて欲しい。秀でて生まれた安嶋くんの15歳が、明るく笑顔で溢れたものでありますように。

 

 

今の楽しい気持ちも悔しい気持ちも、胸でスパークして…君はもう、自由……!

 

 

http://enterstage.jp/sp/interviewミュージカル『ビリー・エリオット』訳詞・高橋亜子が語る、歌詞に秘められた真の意味とは・・・? | エンタステージ/2017/08/007808.html